団長

団長

 16世紀頃からイギリスに現れたとされる殺人鬼。

 物腰穏やかな老紳士を装って近づき、巧みな話術を用いて他人の精神を掌握し、自分に忠実なしもべ(彼は〝傀儡〟と呼んでいる)に洗脳してしまうことを何よりの快楽としている。裏でサーカス団を率いており、手懐けた傀儡たちに残虐な芸を強いて弄び、楽しんでいたという。

 森の奥に隠された見世物小屋的な彼のサーカスは、貴族たちを中心に熱狂的な人気を博していた。その観客たちの中から次のターゲットを決めていたとか、いないとか。

 彼の出生に関する記録は全くなく、貴族や傀儡たちの誰も彼の本当の名前を知らないことから(彼が自ら名乗った際の名前は全て偽名であった)、サーカス団の〝団長(Master)〟と呼ばれている。

 彼自身は一度も殺人に手を染めたことはないが、彼に弄ばれた果ての傀儡たちが次々に死体となっていったため、殺人鬼と呼ばれることになる。

 なお16世紀以降も、20世紀のドイツなど様々な年代に彼と思しき老紳士の目撃情報がある。死期は不明で、それらしき死体が見つかったことがないため、実は不老不死であり、今も生きているのではと、まことしやかにささやかれている。


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